VB.NETでもクラスとモジュールの違いを知りたい

はじめに

皆さんは新人くんの

VBのクラスとモジュールの違いは何ですか?

の質問にどのように答えているでしょうか。

こんな時の対応は大体以下の感じになると思います。

  1. よくわからないから「ググれ」で済ませて軽蔑される
  2. 機能面での話をさらっとして尊敬される
  3. 機能面での話をすっとばして内部実装の細かい話をしてドン引きされる

正直、2.の機能面の話は死ぬほどいろんなところで書かれているはず*1なので、ここでは3.の方面でまとめてみようと思います。

仕様上のモジュール

過去の記事でVBの仕様書が見つからないと言ったな。アレは嘘だ。

というわけでVisual Studio 2017をインストールするとx64環境だと

C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Community\VB\Specifications\1041

あたりに付いてくるっぽいです。しかも日本語で

今回の件から弊社が得る教訓は"SDKをインストールした際についてくるドキュメントも存外馬鹿にはできない"ということだ。

さて、仕様書からモジュールについて引用すると

"標準モジュール" は、メンバーが暗黙的にSharedである型です。標準モジュールのスコープは、標準モジュール宣言自体だけではなく、標準モジュールが含まれる名前空間の宣言空間まで及びます。標準モジュールはインスタンス化できません。標準モジュール型の変数を宣言すると、エラーになります。

標準モジュールのメンバーには 2 つの完全修飾名があります。1 つは標準モジュール名を持たず、もう 1 つは標準モジュール名を持ちます。名前空間内の複数の標準モジュールで、特定の名前の 1 つのメンバーを定義できます。そのため、いずれかのモジュールの外部でその名前を修飾せずに参照すると、あいまいになります。

~中略~

モジュールは名前空間内でのみ宣言でき、別の型の中で入れ子にすることはできません。標準モジュールはインターフェイスを実装できません。標準モジュールは暗黙的にObjectから派生し、Sharedコンストラクターだけを持ちます。

標準モジュールのメンバーは、メンバー宣言によって導入されたメンバーと、Objectから継承されたメンバーです。標準モジュールは、インスタンス コンストラクター以外の任意の型のメンバーを持つことができます。標準モジュール型のすべてのメンバーは、暗黙的にSharedになります。

通常、標準モジュールのメンバー宣言に指定できるのは、PublicFriend、またはPrivateのアクセスだけです。ただし、Objectを継承するメンバーをオーバーライドする場合は、Protectedおよび Protected Friendのアクセス修飾子も指定できます。標準モジュールのメンバー宣言にアクセス修飾子が含まれない場合は、既定でPublicアクセスが宣言されます。ただし、変数の場合、既定はPrivateアクセスです。

前述のとおり、標準モジュール メンバーのスコープは、標準モジュール宣言が含まれる宣言です。Objectを継承するメンバーはこの特殊なスコープに含まれません。これらのメンバーにはスコープがなく、常にモジュールの名前で修飾する必要があります。メンバーにFriendアクセスが指定されている場合、そのスコープは同じプログラムまたはFriendアクセスが指定されたアセンブリ内で宣言された名前空間メンバーだけに及びます。

"拡張メソッド" を使用すると、型宣言の外部からメソッドを型に追加できます。拡張メソッドとは、System.Runtime.CompilerServices.ExtensionAttribute属性が適用されているメソッドのことです。拡張メソッドは、標準モジュール内でだけ宣言でき、メソッドによって拡張される型を指定する 1 つ以上のパラメーターを持つ必要があります。

Microsoft(R)Visual Basic(R)言語仕様 - (C) 2012 Microsoft Corporation.All Rights Reserved.

だそうです。

実用上で注意しないといけないのは

  • モジュール内のメンバーはすべてSharedC#でいうstatic)になる
  • モジュール型の変数は宣言できない
  • 名前空間内でのみ宣言でき、入れ子で宣言できない
  • モジュールのメンバー宣言に指定できるのは、PublicFriendC#internal)、またはPrivate
  • 拡張メソッドはモジュールにしか宣言できない
  • 名前空間内で一意なメンバー名であればモジュール名を省略できる

といったところです。

ここまで説明出来て100点です。

モジュールの内部実装

表面上の使い方で満足しないのが我々エクストリームVBerです。

単純なコードのILを確認してみましょう。

なお、ここでは以下の環境で検証しています。

Public Module Hello
    Public Sub Hoge()
        Console.WriteLine("Hello")
    End Sub
End Module
.class public sealed auto ansi 
  ConsoleApp1.Hello
    extends [mscorlib]System.Object
{
  .custom instance void [Microsoft.VisualBasic]Microsoft.VisualBasic.CompilerServices.StandardModuleAttribute::.ctor() 
    = (01 00 00 00 )

  .method public static void 
    Hoge() cil managed 
  {
    .maxstack 8
    IL_0000: nop          
    IL_0001: ldstr        "Hello"
    IL_0006: call         void [mscorlib]System.Console::WriteLine(string)
    IL_000b: nop          
    IL_000c: ret          
  }
}

つまり、以下のコードとほぼ等価なことが分かります。

<Microsoft.VisualBasic.CompilerServices.StandardModule>
Public NotInheritable Class World
    Private Sub New()
        ' Nothing to do.
    End Sub

    Public Shared Sub Hoge()
        Console.WriteLine("World")
    End Sub
End Class
.class public sealed auto ansi 
  ConsoleApp1.World
    extends [mscorlib]System.Object
{
  .custom instance void [Microsoft.VisualBasic]Microsoft.VisualBasic.CompilerServices.StandardModuleAttribute::.ctor() 
    = (01 00 00 00 )

  .method private specialname rtspecialname instance void 
    .ctor() cil managed 
  {
    .maxstack 8
    IL_0000: nop          
    IL_0001: ldarg.0      // this
    IL_0002: call         instance void [mscorlib]System.Object::.ctor()
    IL_0007: nop          
    IL_0008: ret          
  }

  .method public static void 
    Hoge() cil managed 
  {
    .maxstack 8
    IL_0000: nop          
    IL_0001: ldstr        "World"
    IL_0006: call         void [mscorlib]System.Console::WriteLine(string)
    IL_000b: nop
    IL_000c: ret          
  }
}

デフォルトコンストラクタはさすがに封殺できないので、プライベートコンストラクタを明示的に宣言することでデフォルトコンストラクタを消し去っています。

StandardModuleAttributeがキモのようで、VBコンパイラはこの属性が付与されたクラスをモジュールとして認識しているようです。 そのため、C#のクラスにStandardModuleAttributeを付与するだけでVBから利用できないクラスを爆誕させることが出来ます。

f:id:jyuch:20170603001750p:plain

f:id:jyuch:20170603001808p:plain

余談ですが、同一ソリューション内であればVBコンパイラStandardModuleAttributeが付与されたクラスとモジュールを区別できるようです。 これがロスリンの力か・・・

おわりに

個人的な話でアレですが、弊社としては拡張メソッドを定義する以外ではモジュールは使いたくないですね。 オブジェクト指向に反するというのも若干ありますが、別に弊社はオブジェクト指向原理主義ではないのでそれについてはあまり気にしません。 やはり名前空間の汚染は正直気持ちのいいものではありませんし、レガシーVBの作法を持ち込まれてもねぇ・・・といった感じです。*2

おわり

*1:調べてはいない

*2:そもそもで言えば、VB.NETという言語自体がレガシーVBの作法を.NET Frameworkに持ち込むための言語なのですが

VB.NETとログについての伺か

はじめに

弊社はロギングライブラリとかの扱いについて割と長い間悩んでいたのですが、自分の中のとりあえずの答えが出たので今回はそんな感じです。

ログライブラリへの強依存

さて、弊社はログライブラリとしてNLogに慣れ親しんでいるのでサンプル中で使うライブラリとしてNLogを使用しますが、Seriloglog4netを使用しても大して変わらないと思います。たぶん*1

さて、NLogでログを取得するコードを書くとすると以下のような感じになるのではないでしょうか。

Module Module1

    Sub Main()
        Dim model = New SomeModel()
        Console.WriteLine($"{model.Add(1, 2)}")
        Console.WriteLine($"{model.Subtract(2, 1)}")
        Console.WriteLine($"{model.Subtract(1, 2)}")
    End Sub

End Module

Class SomeModel
    Private Shared ReadOnly Logger As NLog.ILogger = NLog.LogManager.GetCurrentClassLogger()

    Function Add(x As Integer, y As Integer) As Integer
        Dim result = x + y
        Logger.Info("{0} + {1} = {2}", x, y, result)
        Return result
    End Function

    Function Subtract(x As Integer, y As Integer) As Integer
        Dim result = x - y
        If result < 0 Then
            Logger.Warn("{0} - {1} is negative ({2})", x, y, result)
            Return 0
        Else
            Logger.Info("{0} - {1} = {2}", x, y, result)
            Return result
        End If
    End Function
End Class

はい、そうですね。べっとりNLogに依存しちゃってます。 仮に他のロギングライブラリに移行することになった場合、ロギングコードを修正する必要が出てきますし、細かくログを取得しようとしていた場合には修正箇所は相当な数になるはずです。

インタフェース化とIoCコンテナ

はいはいインターフェースインターフェース。 メソッドをインターフェースに切り出すことができればあとはIoCコンテナとかを使って外部からロガーを注入してみんなハッピーになれます。

と、ここで壁にぶち当たりました。

どのようなメソッドとしてインタフェースを切り出しましょう

NLogやSerilog、log4netではログの書き出しメソッドはログレベルとして実装されています。 まずはログレベルで検討してみましょう。

NLog Serilog log4net 簡単な説明
Trace Verbose 該当なし めっちゃ細かい
Debug Debug Debug デバッグ情報
Info Information Info 通常のイベント情報
Warn Warning Warn クリティカルではない警告
Error Error Error エラー
Fatal Fatal Fatal ちょー致命的

という感じで多少であるものの、各ロギングライブラリで使用できるログレベルには差異があります。

また、NLogとlog4netはメッセージを出力するタイプのログライブラリですが、Serilogは構造化ログライブラリなのでインターフェースでメソッドのシグネチャを統一しても幸せになれそうではありません。

ではどのようなインタフェースを用意すればいいのかと言いますと、ログイベントを意味論としてメソッドを用意してあげれば良いのではとの結論に至りました。

先ほどの例ですと、以下のような感じになります。

Interface IMyLogger
    Sub CalcAdd(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
    Sub CalcSubtract(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
    Sub SubtractResultIsNegative(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
End Interface

この方法ですとプロジェクトごとにインターフェースが異なりますが、そもそもログイベントもプロジェクトごとに異なるんだからそもそもプロジェクトにまたがって共通化する必要はありませんよね。

また、イベントの種類だけメソッドが増大するという問題もありますが、そちらは、まぁ、その、いい感じにお願いします。

そんな感じで、Simple Injectorを使いつつ書き直したのが以下になります。

Imports NLog
Imports SimpleInjector

Module Module1

    Sub Main()
        Dim c = New Container()
        Dim logger = New MyLogger(LogManager.GetCurrentClassLogger())
        c.RegisterSingleton(Of IMyLogger)(logger)
        c.Register(Of SomeModel)()
        c.Verify()

        Dim model = c.GetInstance(Of SomeModel)()
        Console.WriteLine($"{model.Add(1, 2)}")
        Console.WriteLine($"{model.Subtract(2, 1)}")
        Console.WriteLine($"{model.Subtract(1, 2)}")
    End Sub

End Module

Class SomeModel
    Private ReadOnly _logger As IMyLogger

    Sub New(logger As IMyLogger)
        _logger = logger
    End Sub

    Function Add(x As Integer, y As Integer) As Integer
        Dim result = x + y
        _logger.CalcAdd(x, y, result)
        Return result
    End Function

    Function Subtract(x As Integer, y As Integer) As Integer
        Dim result = x - y
        If result < 0 Then
            _logger.SubtractResultIsNegative(x, y, result)
            Return 0
        Else
            _logger.CalcSubtract(x, y, result)
            Return result
        End If
    End Function
End Class

Interface IMyLogger
    Sub CalcAdd(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
    Sub CalcSubtract(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
    Sub SubtractResultIsNegative(x As Integer, y As Integer, result As Integer)
End Interface

Class MyLogger
    Implements IMyLogger

    Private ReadOnly _nlog As ILogger

    Public Sub New(logger As ILogger)
        _nlog = logger
    End Sub

    Public Sub CalcAdd(x As Integer, y As Integer, result As Integer) Implements IMyLogger.CalcAdd
        _nlog.Info("{0} + {1} = {2}", x, y, result)
    End Sub

    Public Sub CalcSubtract(x As Integer, y As Integer, result As Integer) Implements IMyLogger.CalcSubtract
        _nlog.Info("{0} - {1} = {2}", x, y, result)
    End Sub

    Public Sub SubtractResultIsNegative(x As Integer, y As Integer, result As Integer) Implements IMyLogger.SubtractResultIsNegative
        _nlog.Warn("{0} - {1} is negative ({2})", x, y, result)
    End Sub
End Class

この辺のアイデアは弊社が独自で思いついたというよりはSLABの概念とかLightNodeのコードパクった参考にしたところがあるのでオリジナルへのリンクを付け加えておきます。

余談(ってほど余談でもない)

NLogの${callsite}とかのスタックフレームのスキップ

<target xsi:type="ColoredConsole" name="console" 
        layout="${longdate} ${uppercase:${level}} ${message}${newline}${stacktrace}${newline}${callsite}" />

みたいなレイアウトを設定している場合、出力結果は

2017-05-06 01:26:54.5080 INFO 1 + 2 = 3
Module1.Main => SomeModel.Add => MyLogger.CalcAdd
ConsoleApp2.MyLogger.CalcAdd
3
2017-05-06 01:26:54.5281 INFO 2 - 1 = 1
Module1.Main => SomeModel.Subtract => MyLogger.CalcSubtract
ConsoleApp2.MyLogger.CalcSubtract
1
2017-05-06 01:26:54.5281 WARN 1 - 2 is negative (-1)
Module1.Main => SomeModel.Subtract => MyLogger.SubtractResultIsNegative
ConsoleApp2.MyLogger.SubtractResultIsNegative
0

みたいになって、ログの実装クラスがしゃしゃり出てきてもんにょりします。

そんな時はskipFrames=Integerを設定してあげるといい感じになります。

<target xsi:type="ColoredConsole" name="console" 
        layout="${longdate} ${uppercase:${level}} ${message}${newline}${stacktrace:skipFrames=1}${newline}${callsite:skipFrames=1}" />
2017-05-06 01:30:57.3469 INFO 1 + 2 = 3
Module1.Main => SomeModel.Add
ConsoleApp2.SomeModel.Add
3
2017-05-06 01:30:57.3700 INFO 2 - 1 = 1
Module1.Main => SomeModel.Subtract
ConsoleApp2.SomeModel.Subtract
1
2017-05-06 01:30:57.3700 WARN 1 - 2 is negative (-1)
Module1.Main => SomeModel.Subtract
ConsoleApp2.SomeModel.Subtract
0

IoCコンテナとサービスロケーター

やはりあなた方のDependency Injectionはまちがっている。 — A Day in Serenity (Reloaded) — PHP, FuelPHP, Linux or something

IoCコンテナを使い始めると

コンテナをコンストラクタ引数で渡して、コンテナから必要なオブジェクトを取り出せばいいんだ

みたいに勘違いしやすいと思います。というよりは弊社は勘違いしていました。

今回ので例を示すとこんな感じですね。

Class SomeModel
    Private ReadOnly _logger As IMyLogger

    Sub New(container As Container)
        _logger = container.GetInstance(Of IMyLogger)()
    End Sub

    Function Add(x As Integer, y As Integer) As Integer
        '...
    End Function

    Function Subtract(x As Integer, y As Integer) As Integer
        '...
    End Function

End Class

これには以下のデメリットが発生します。

  • 本来IMyLoggerだけに依存したいはずなのに、IoCコンテナContainer)にも依存してしまっている
    • 本来なら必要のない別のクラスに依存することになり、依存を減らしたいはずなのに逆に増えてしまっている
  • そのクラスが依存しているインターフェース・クラスがコンストラクタのシグネチャから判別がつかない
    • コンテナが保持するインターフェース・クラスをすべて利用することが出来てしまうため、不用意に不要なクラスへアクセス出来てしまうため、なんかやばい

なんで、まぁサービスロケーターとして使うのはやめましょうねって感じで。

おわりに

弊社は最近では自動化ツールを作ったりコンソールアプリケーションを作成する機会が多いです。

そんな中、どのみち必要になるから最初からNuGetでぶち込んでおけと思うのが以下の3つです。

今回のでロギングライブラリのもんにょりが消えたので、残るはコマンドラインオプションパーサーになるのですが、今のところしっくりくるのがありません。

なければ作るしかないっぽいのでアレですが、当面はいい感じのを探していこうと思っています。

おわり

*1:弊社はNLogとSerilogしか使ったことがないのでlog4netは微妙です

VB.NETでもAutofacで依存性を注入したい

はじめに

OpenCoverのコードを読んでいたら、AutofacというDIライブラリが使用されており、気になったのでそれについてです。

チュートリアル

Getting Started — Autofac 4.0 documentation

大体の手順をざっくりと列挙すると

  1. 脳内でいい感じに制御の反転を組み立てる
  2. Autofacの参照を追加する
  3. アプリケーションの開始時に
  4. ContainerBuilderインスタンスを生成し
  5. コンポーネントを登録して
  6. コンテナを生成して
  7. アプリケーションの実行の間
  8. ライフタイムスコープを生成して
  9. ライフタイムスコープを使ってコンポーネントインスタンスを解決する

といった感じです。

Imports Autofac

Module Module1
    Sub Main()
        Dim builder = New ContainerBuilder()
        builder.RegisterType(Of ConsoleOutput)().As(Of IOutput)()

        Dim container = builder.Build()

        Using scope = container.BeginLifetimeScope()
            Dim out = scope.Resolve(Of IOutput)()
            out.WriteLine("hello world")
        End Using
    End Sub
End Module

Interface IOutput
    Sub WriteLine(value As String)
End Interface

Class ConsoleOutput
    Implements IOutput, IDisposable

    Public Sub WriteLine(value As String) Implements IOutput.WriteLine
        Console.WriteLine(value)
    End Sub

    Public Sub Dispose() Implements IDisposable.Dispose
        Console.WriteLine("IDisposable.Dispose")
    End Sub
End Class
hello world
IDisposable.Dispose

直接コンテナからコンポーネントインスタンスを生成せずに、ライフタイムスコープからインスタンスを生成することでライフタイムスコープが破棄された時点でライフタイムスコープから生成されたインスタンスも同時に破棄されます。

また、コンポーネントに複数のコンストラクタが存在する場合、コンテナ内に引数となりうる他のコンポーネントが登録されていればそのコンストラクタを使用してインスタンスを生成してくれます。

Module Module1

    Sub Main()
        With "ジャムおじさんとバタコ"
            Dim builder = New ContainerBuilder()
            builder.RegisterType(Of AnpanMan)().As(Of IAnpanMan)()
            builder.RegisterType(Of Jam)().As(Of IJam)()
            builder.RegisterType(Of Batako)().As(Of IBatako)()
            Dim container = builder.Build()

            Using scope = container.BeginLifetimeScope()
                scope.Resolve(Of IAnpanMan)().Anpanchi()
            End Using
        End With

        With "バタコのみ"
            Dim builder = New ContainerBuilder()
            builder.RegisterType(Of AnpanMan)().As(Of IAnpanMan)()
            builder.RegisterType(Of Batako)().As(Of IBatako)()
            Dim container = builder.Build()

            Using scope = container.BeginLifetimeScope()
                scope.Resolve(Of IAnpanMan)().Anpanchi()
            End Using
        End With
    End Sub

End Module

Interface IBatako
End Interface

Class Batako
    Implements IBatako
End Class

Interface IJam
End Interface

Class Jam
    Implements IJam
End Class

Interface IAnpanMan
    Sub Anpanchi()
End Interface

Class AnpanMan
    Implements IAnpanMan

    Private _anpanchi As String

    Public Sub New()
        _anpanchi = "顔が濡れて力が出ない"
    End Sub

    Public Sub New(batako As IBatako, jam As IJam)
        _anpanchi = "元気100倍アンパンマン"
    End Sub

    Public Sub Anpanchi() Implements IAnpanMan.Anpanchi
        Console.WriteLine(_anpanchi)
    End Sub
End Class
元気100倍アンパンマン
顔が濡れて力が出ない

おわりに

無事に元気100倍アンパンチが出来ました。

余談ですが、ジャムおじさんやバタコさんは人間じゃなかったんですね。

おわり